
こんにちは、ライターMです。
私の介護体験をシリーズで掲載していきます。
介護というと、少しずつ準備していくものだと思っていました。
でも実際には、ある日突然始まることもあります。
今回は、私の伯父の話をしたいと思います。
伯父は母の兄で、生涯独身を貫いた人でした。休日になればゴルフへ出かけ、登山も楽しみ、健康のために毎日1キロの散歩を欠かさない。まさに「アクティブシニア」という言葉がぴったりの人でした。親戚の中でも一番元気で、80歳になっても年齢を感じさせない存在だったのです。
そんな伯父の人生が大きく変わったのは、80歳のある日のことでした。
いつもの居酒屋の帰り道で
伯父にはお気に入りの居酒屋がありました。
男の一人世帯。食事は基本コンビニか外食かという生活の伯父にとって、近所の居酒屋は温かいご飯を食べれる伯父にとっての大事な居場所。70歳を過ぎてから飲酒はだいぶ量が減ったとは言っていましたが、週に2.3回行けば、必ず誰かしら常連さんがいて、お店の方たちと楽しく会話をしてたそうです。
その日もいつもと変わらない一日だったそうです。ところがちょっとふらついたことがきっかけで、帰宅途中に転倒し、そのまま脳梗塞を発症してしまいました。
突然の知らせに驚き、弟と一緒に急いで伯父のところに会いにいきました。
少し麻痺が残ることに
病室で再会した伯父を見て、いつも私の記憶の伯父は恰幅もよく、溌剌と元気な姿なのですが、転倒で頭を打ったこともあり、意識はあるにしても、日頃見たことのない寝たきりの伯父の姿は正直ショックでもありました。つい数か月前までゴルフや登山を楽しんでいた人とは思えなかったのです。
それでも繁華街近くで転倒したことが幸いで、近くを歩いていた会社員の方が救急車を呼んでくれ、転倒による脳梗塞を発症したにもかかわらず、早め処置ができたそうです。
お見舞い行った当日は言語も乏しく、まだ動きもおぼつかなかったですが、現在の病院を退院した後はリハビリ病院でリハビリで回復を見ると言われました。
でも、一人暮らしの伯父が今後どうなる?と弟と家族会議。
まさに介護は「ある日突然」始まるのを実感した瞬間でした。
一人暮らしの高齢男性という現実
伯父は一人暮らしでした。しかも私たち家族からは少し離れた場所に住んでいます。面倒を見られるのは私と弟だけ。
伯父は若い頃から体格もよく、年齢を重ねても大柄なままでした。もし自宅で転倒したら、私ひとりで起こすことは到底できません。
病院のケアマネジャーさんからも、「退院後の生活を考えると介護認定を受けた方がいいですね」とアドバイスをいただきました。入院中に介護認定を受けれたのは、すごく助かりました。
そこで介護保険の申請を行ったところ、要介護2の認定を受けることになりました。
リハビリ病院で見えた希望
その後、伯父はリハビリ病院へ転院しました。3ヶ月間みっちり、毎日リハビリに取り組み、少しずつ回復。左手には麻痺が残ったものの、自宅で生活できるレベルまで改善しました。
退院が近づくと、ケアマネジャーさんと理学療法士さんが伯父のマンションを訪問し、「この家で安全に暮らせるか」を細かく確認してくれました。
手すりは必要か。段差は危険ではないか。ベッドの高さはどうするか。
家族だけでは気づかない視点でアドバイスをいただけたのは本当に心強かったです。
退院前に準備した介護用品
退院までに準備したのは、
- 介護ベッド
- 歩行器
- 車椅子
です。正直、車椅子は普段使わないので、いらないと言えばいらないのですが、もし万が一伯父が歩けない中病院に連れて行く、災害が会った時に避難すると考えた時に、あるとないでは行動が変わるので、お金はかかりますがレンタルで一緒に借りることにしました。
使わないに越したことはありませんが、「あるだけで安心」という存在でした。
杖に関しては毎日使うものなので、レンタルではなく、購入しました。伯父は麻痺が残っているので、入院中のリハビリ病院で使用しいるものと同じものを弟と私からプレゼントという形で、準備しました。
介護サービスもしっかり活用
一番心配だったのは食事と入浴です。
そこで、
- 週2回のデイサービス利用
- 毎日の介護配食サービス
をお願いすることにしました。
特にデイサービスで入浴をサポートしてもらえることは、私と弟にとって大きな安心材料でした。麻痺が残ってる伯父がお風呂で転んだらと思うと心配。かと言って、毎週お風呂の介助で訪問の負担が仕事している私と弟には大きい。
ケアマネさんからも「介護は家族だけで抱え込まなくていいんですよ。」と私たちの現状を踏まえて、サービスを考えてくれました。
使えるサービスは積極的に利用していい。これは伯父の介護を通して学んだ大切なことです。
普段の買い物に関しては、伯父がマンション下のスーパーで購入。量や重いものは私が週1で電話し、ネットスーパーで購入したのを届くように手配ということにしました。
想像以上に大変だった通院の付き添い
介護サービスを利用しても、家族の役割がなくなるわけではありません。
実際に大変だったのは病院への通院でした。
伯父は脳梗塞後の経過観察や薬の処方のため、月に一度は病院へ通う必要がありました。そして診察日はほとんど平日です。弟は仕事の都合で動けないことも多く、比較的近くに住んでいた私が車で迎えに行き、病院へ連れて行くことが増えていきました。
診察そのものは30分ほどでも、
- 自宅まで迎えに行く
- 病院で受付をする
- 診察に付き添う
- 薬を受け取る
- 自宅まで送り届ける
あとは、せっかくなので、買い物もまとめてするとなると半日仕事です。
当時は私も働いていましたから、予定の調整に苦労することも少なくありませんでした。介護というと食事や入浴のお世話を思い浮かべがちですが、実際には「通院の付き添い」が大きな負担になることを、この時初めて知りました。



そう言えば介護してた友人がよく、休みが親の病院で予定が埋まるとよく言っていました。
家族で支え合う遠距離介護の始まり
私と弟は話し合い、「誰かが月に1回は必ず顔を見に行こう」と決めました。二人では負担が大きい場合もあるので、時には弟のお嫁さん、私の息子にも様子見に行くのをお願いすることもありました。
遠距離介護は大変です。でも一人で抱え込まず、家族で役割を分担することで続けることができました。
この頃の私は、「これで少し安心かな」と思っていました。けれど本当の意味での介護は、まだここから始まったのです。
脳梗塞から数年後、伯父には少しずつ認知症の症状が見え始めることになります。その時の私は、まだ認知症の恐ろしさを本当の意味では理解していませんでした。
(続く)


