
こんにちは、ライターKです。
このシリーズでは、私の介護体験をコラムとして掲載していきます。
「まさか自分の家族が」――介護はある日突然、予期せぬ形で始まることがあります。 我が家の場合、そのキッカケは6月に起きた義父の熱中症でした。
今回は、私たちが実際に経験した「熱中症から始まった同居介護」の体験談をお届けします。今まさに親御さんの体調や生活環境に不安を抱えている方の、ひとつの参考になれば幸いです。
1. 孫が生きがいだった元気な義父
結婚後、私自身の実母が出産期に脳梗塞を患ったこともあり、我が家の子育ては主人の実家(義理の両親)と行政のサポートに全面的に頼っていました。 特に初孫が生まれた義父は、時間があれば我が家に駆けつけてくれ、孫と遊ぶことを何よりの生きがいにしている元気な人でした。
本当に感謝してもしきれないほど、家族を支えてくれた優しい義父。しかし、暑い季節になるたびに、私はある「心配事」を抱えていました。
2. 「俺は暑さに強い」エアコン設置を拒む義父
義父の自室は、2階の南向き。夏場は夜になっても熱気がこもる、非常に暑くなりやすい部屋でした。 心配した私たちは、何度も「エアコンをプレゼントさせてほしい」と申し出ました。しかし、元々現役時代に現場作業などの仕事をしていた義父は、プライドもあったのでしょう。
「俺は元々仕事柄、暑さには強いんだ!エアコンはいらない」
毎年のようにそう言って、首を縦に振ってはくれませんでした。朝起きて1階のリビングに降りればエアコンがあるので大丈夫、というのが義父の言い分でした。せめてもの対策にと、私たちは冷風機と扇風機をプレゼントし、様子を見るしかありませんでした。
3. 5年目の6月、いつもより遅い朝に起きた異変
そんな状態が続いて5年目を迎えた、ある年の6月のことでした。 6月とは思えないような厳しい夏日が続いたある日、虫の知らせか心配になり義父の携帯に電話をかけましたが、一向に出ません。
慌てて同居している義母に電話をかけると、「そういえば、今日はいつもより2階から降りてくるのが遅いわね。今から見に行ってみる」とのこと。
その数分後、義母から「お父さんが部屋でぐったりしている!」と緊迫した連絡が入りました。急いで救急車を呼び、義父はそのまま病院へ搬送されることになったのです。
4. 診断は熱中症、そして始まった「同居介護」
病院での診断結果は、重度の「熱中症」でした。
幸いにも一命を取り留めましたが、退院後の生活をどうするかが大きな課題となりました。実はこの頃、義父には少しずつ物忘れ(認知の症状)が出始めていたのです。
義実家では、義母の寝室は1階リビングの横にありましたが、お布団を1枚敷くのがやっとのスペース。体力が落ち、認知機能にも不安が出てきた義父を、2階の暑い部屋に再び戻すわけにはいきません。
「なら、夏の暑い期間だけでも、私たちの家で一緒に暮らしませんか?」
そう義母に提案し、退院した義父を我が家に引き取る「同居介護」がスタートしたのです。
5. 一緒に暮らして初めて知った「現実」
病院から我が家にやってきた義父。 しかし、24時間寝食を共にする生活が始まってすぐに、私たちはある過酷な現実に直面することになります。
たまに会って数時間一緒に過ごすだけでは全く気づかなかった、「思った以上に進行していた、義父の認知症の症状」を、目の当たりにすることになったのです。
(次回へ続く)


